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バイオサイエンス分野において、タンパク質と並ぶ注目物質『糖鎖』の 構造解析をサポートするAI技術の特許を取得

株式会社メビウス(本社:新潟県新潟市 代表取締役:加藤 幸久、以下「メビウス」)と新潟大学理学部(所在地:新潟県新潟市 学長:牛木 辰夫)長束研究室は、バイオサイエンス分野において、遺伝子やタンパク質と並び医薬品等様々な産業での活用が見込まれる物質である『糖鎖』の構造を特定するAI技術の特許を共同で取得しました。本技術は当社が運営する糖鎖構造を解析するソフトウェアへの組み込みによって、より効率的な解析作業を実現し、同分野のさらなる発展を目指します。

■特許取得の背景

糖鎖とは、その名の通り“糖”が“鎖”のように連なった物質のことです。細胞やタンパク質表面に存在して、「細胞の外の情報をキャッチし、細胞内へ伝達する」アンテナのような働きを担っています。そのため細菌やウイルスといった異物の認識や、ホルモン・酵素の認識などに深く関係しており、人体の生命活動に欠かせない重要な役割を果たしていることが知られています。バイオサイエンス分野では、特に生命現象の解明や、医薬品の開発など産業用途での活用が期待される一方、糖鎖構造の複雑さ、多様さから糖鎖構造の解析及び特定において専門的な知見が必要であり、難易度が高いという課題がありました。

メビウスではこの課題に着目し、糖鎖に関する専門知を有する長束研究室との共創によって、複雑な糖鎖構造をデータベース化するとともに、専門家以外でも糖鎖構造の特定を短時間で可能にするソフトウェア「SugarScan」を構築、無償提供しています。本特許技術では専門家の知見をもとに機械学習モデルを作成しており、上述のソフトウェアへ実装することで、特に糖鎖構造の特定部分においてデータベース登録にない構造についても専門家と同水準の特定精度を実現します。

 

■糖鎖構造解析ソフトウェア「SugarScan」について

『SugarScan』は、実験結果から糖鎖構造を推測するシステムです。現在、試用版として無償で公開しており、どなたでもお試しいただけます。

アクセスURL:https://sugarscan.net/(※外部サイトに遷移します。)

従来の解析シーンでは、解析によって得られた数値からのグラフの作成や、グラフ特徴による糖鎖構造の特定、別データとの関連づけなど解析結果から糖鎖構造を特定するまでの作業が全て手動で行われています。

『SugarScan』では、グラフの作成や特徴の特定、別データとの関連性分析などを、過去の結果を蓄積したデータベースとの照合によって構造の特定が自動で行うことで、当該作業を大幅にスピードアップすることが可能です。

本ソフトウェアは上述した特許技術の実装を含めアップデートを継続し、より効率的な糖鎖構造の推測実現することで糖鎖工学領域の発展と、日本が重点分野と掲げるバイオサイエンス分野におけるデータ分析の基盤となることを目指して参ります。

 

■特許概要

特許番号:第7360644号、第7394362号
発明の名称:機械学習装置、機械学習方法、糖鎖構造絞込装置およびコンピュータプログラム、サーバ、APIおよびコンピュータプログラム
登録日:令和5年10月4日、令和5年11月30日
概要:膨大な候補の内から糖鎖構造を効率的に特定するAI

名称 新潟大学 理学部 長束研究室
所在地
〒950-2102
新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050
代表者 新潟大学教授 長束 俊治
研究内容
糖鎖シーケンサーの開発と胚発生における糖鎖の構造と機能の研究
Webサイト https://bio.sc.niigata-u.ac.jp/~natsuka/index.html

 

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社メビウス
バイオサイエンス事業部SugarScan開発チーム
TEL:025-242-3123 E-mail:sugarscan@mob.co.jp

以上